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優しいは易しい

人を傷つけるなら、自分が傷つく方がよっぽどいい。

 

人の気持ちが分かりすぎてしまうから、私がこう言ったら、こういう態度を取ったら、傷つくだろうなと考えて胸を痛める。だけどそれって「こうであってほしい」という思いなのかなと思った。私の言葉で、態度で傷ついてほしいという思いなのかな。もしそうだったら滅茶苦茶嫌だな。

 

大切な人を差し置いて、私だけ幸せになるなんて許されるのかな。突き放すことも、抱きしめることもできないのが一番残酷だと知っているのに。

 

人を傷つけるより、自分が傷つく方のが易しいもんね。他人に刃物を向けるより、自分に刃物を向ける方が容易いのと同じで。

 

言いたいことも言えないで、言わなきゃいけないことも言わないで、それで察してほしいだなんて烏滸がましい。大切になればなるほど大切なことを言えなくなっていく。

誰といても、誰に愛されても、誰に抱かれても、愛されないと思いながら生きていくんだろうか。きっと幼少期に愛されているという実感を持たずに生きてきてしまったからだ。何もかもそのせいだ。そうやって環境とか、誰かのせいにし続けて生きていくのはダサいよなあ。

 

幸せになんてなれなくていいから、あの人に私の分の幸せを分けてなんて思えないし、幸せになれるならなりたいけど、他人を押しのけてまで自分の幸せを願う域には達していない。

 

どうでもいいけど、とりあえず朝から出会えてよかったなんて言わないで。泣くから。